2006年1月から新コーナーになりました。
おもちゃコンサルタントとして皆様におもちゃのことを
分かりやすく楽しく伝えていきたいと思います。

06年カルトン新聞12月号より
『ビーズコースター』のお話

「あ〜、見たことある!」「よく児童館とか、○○センターとかにあるよね。」という言葉がよく聞こえるこのおもちゃ。大きさも、形も、メーカーもさまざまですが、「これ、どんなおもちゃなの?」というのが大人の正直な気持ちかも?高価だし、買っても遊んでくれなかったらどうしようと思う人も少なくないかもしれませんね。車やおままごと道具みたいに、ぱっとみてどんなおもちゃかわからない。いったいいくつくらいから遊べるのかもわからない。私も始め見たときは、本当にこれっておもしろいのかなあというのが正直な気持ちでした。木の土台からカラフルなワイヤーがぐねぐね、そこに木製のカラフルなビーズがいくつもついています。子どもは見た瞬間から列車に見立てたり、人に見立てたり、ブーブーとつぶやいたりしながらビーズを動かします。つかまり立ちの頃でも触るとビーズがくるくるとまわる様子を見るのが楽しい。子どもの中ではいろんな世界がひろがっているんですね。遊ぶうちに手や指先をきたえ、色や形や数の認識ができます。集中力も自然にみにつきます。

アメリカでは、必ずといってもいいほど小児科医院などにおいてあるそうです。小さいものはテーブルの上に置いたり、持ったまま遊べるほどの大きさです。大きいものは何人もで囲んで遊べるようなものまで本当にさまざまです。
06年カルトン新聞11月号より
『プルトーイ』のお話

カルトンにも、プルトーイといわれるおもちゃがいくつかあります。わかりやすく言うと、ひもでひっぱるおもちゃです。上手に歩けるようになったら、子どもも一人で引っ張って歩けます。おもちゃを引っ張って、犬のお散歩のように連れて歩く姿は本当に可愛らしいですね。おもちゃにも、いろいろと工夫があって、音がなったりおもしろい動きをしたり、大人が見ても楽しいです。カルトンでも人気があるのは、ワニの体がカタカタなって動いていくものや、カタツムリの体が上下にくねくね進んでいく(下記写真)や、アヒルが3匹上下に動くものなどです。上手に歩けるようになる前から、お母さんが動かして見せてあげるのもいいですね。赤ちゃんの時から、目でじーっと物をおうことができるのでベッドの周りで動かしてあげたり、お兄ちゃんやお姉ちゃんが楽しそうに遊んでいるときっと喜んでくれるでしょう。年齢の目安というものは、おおまかな目安であり、子どもの成長や、興味に合わせて大人が選んであげればいいと、いつか書いたことがありますが、「いつまでこのおもちゃで遊べるのか?」というのは、私は「いつまででもいいのではないかな」と思います。

遊び方をかえながら、遊んだり、飾ったり、ちょっと間をあけてまた遊んだり、大切にしたおもちゃをお友だちにゆずったり、大きくなったら自分の子どもにあげたり、ずっと飾っておいたり・・・。おもちゃがあると、ほっと心が和み、人と人との距離がすぐに縮まるのではないかなと思います。プルトーイ、お年寄りになってお部屋にあってもいいと思います。

06年カルトン新聞10月号より
『お人形』のお話

ごっこ遊びの一つのお人形遊び。今回、紹介するのは私が小学生の頃、母にせがんで確か誕生日かクリスマスの時に買ってもらった赤ちゃん人形です。名前は「きんちゃん」。髪を切ってあげたせいで、今はちょっと髪が薄いのですが・・・すいぶん気に入ってかわいがって世話をしたことを覚えています。今ままで、母がきんちゃんを大切に持っていてくれて、ドレスや浴衣をつくってくれていました。15年ぶりくらいにきんちゃんに再会し、これは今、我が息子に渡すべきだと思いひきとりました。始めはおそるおそるさわっていたのが、今では一緒に積み木をしようとしたり、だっこしたり、ごはんをあげたりしています。そして朝起きると「おはよう」と挨拶をしています。

名前があり、人格が備わり、今では家族の一員になったようなきんちゃん。これからどんなお世話をしていくのか見ていくのが楽しみです。子どもは1歳をすぎたあたりから、今まで自分がしてもらったことをお人形にしてあげたがります。女の子に限らず、男の子にもとても大切なことだと思います。ある程度の大きさや重さがあって、顔は無表情なことが大切。電池で声を出したりというのは必要ありません。悲しいとき、嬉しいとき、お人形が同じ気持ちになってくれるからです。ぬいぐるみもそうですが、名前をつけたりしてお片付けの時には寝かせてあげるとか、大切にすることを伝えていきたいですね。

06年カルトン新聞9月号より
『木のおもちゃ』のお話

最近では、おしゃれな子ども服売り場、雑貨屋さんなどの1コーナーに、木のおもちゃが置かれていることが多くなりました。しかも、とてもかわいらしく、価格も求めやすい。ついつい、かわいい!と手を伸ばしてしまいます。

『木のおもちゃって高価だけど、安心して子どもに与えられるから良い!』というイメージがありますが、実はすべてがそうではないのです。今は、安価でデザインの優れたものが多くなりました。『子どものためのおもちゃ』というより、『雑貨』としての木のおもちゃが多く見られるようになりました。インテリアとして求めるのなら十分。でも、赤ちゃんや小さな子どもにあたえるおもちゃとして選ぶ時はじっくり選んでほしいなと思います。つくりがしっかりしているか、乱暴に遊んでもすぐにこわれたり割れたりしないか、とがっている部分はないか、塗装は安心できるか、なめても安心かなどなどです。

カルトンでは試してあそべるおもちゃをオープン時から置いて、たくさんの子ども達が遊んでみていますが、やはり、ヨーロッパのおもちゃ、タイのプラントイ、日本では中尾のつみき、銀河工房のおもちゃなどは、びくともしません。むしろ使い込んであじがでています。高価であるだけの価値があるなあと実感します。でも、初めて木のおもちゃを選ぶ時などは、どれがいいのかわかりにくいし、つい好みのものを選んでしまいますよね。ヨーロッパの安全規格CEのマークがついていることも一つの目安になりますね。日本グッドトイのマークも目安になるかも。

06年カルトン新聞8月号より
『シャボン玉』のお話

子どもの頃、よく石けんや洗濯洗剤を水に溶かしてシャボン玉を作って遊んだり、駄菓子屋さんでヤクルトの容器のような入れ物に入ったシャボン玉を買った覚えがあります。懐かしいですね〜。この、シャボン玉の液にとことんこだわったメーカーがあります。ドイツの『プステフィックス社』のシャボン玉です。くまの容器に入っていたり、黄色のくまのイラストで、「あっ、見たことがある!」という人も多いのでは?このシャボン液は、子どもにも安全で無害、とことんこだわって作られて50年になるのです。他のメーカーのものと比べると、粘りがあり薄く割れにくく、色が美しい。障害を持つ人のリハビリや、アーティストに愛用されるすぐれものです。ヨーロッパの安全規格CEをクリアした商品なので安心して、子どもに使わせることができます。

れでも、シャボン液を吸い込んでしまうかも?心配だわ!という人には、ストローを使わなくてもシャボン玉がでてくるものがあります。小さいお子様はストローで「吹く」というのが難しいですので、大人の人がやってあげてみてください。ふわふわとんでいくシャボン玉を見つめる子どもの目はキラキラです。くまのシャボン玉は類似品が出回り、「無害安全」ではない液が入っていることも。ふたに「Pustefix」(プステフィックス)の表示があるものが本物です。

06年カルトン新聞7月号より
『ユニバーサルトイ』のお話

カルトンはおもちゃ屋さん。「子どものお誕生日に」とか、「出産祝いに」ということでおもちゃを買いに来て下さる方がほとんどです。だけど、子どもだけでなく大人のかたまで楽しんでもらえたらなと思います。木はぬくもりがあり、心を癒し気持ちを穏やかにします。置いておくだけでもホッとするし、触るとまたホッとします。指先や脳を使うゲームもたくさんありますので、おじいちゃんやおばあちゃんへの贈り物にもいいのではないでしょうか。何より、おもちゃを通して会話がひろがり楽しい時間を共有しあえます。

そういった意味で、おもちゃは誰にでもぴったりな「ユニバーサルトイ」であってほしと思います。例えば、木を積み上げていくバランスゲームや、交互に玉をさして並べていく四目並べ、ドミノなど、カルトンの中にも「ユニバーサルトイ」といえるものがいくつもあります。遊んでみると、思わず夢中になってしまいますよ。

06年カルトン新聞6月号より
『モビール』のお話


カルトンでもいくつかモビールを扱っていますが、木製、紙製
色や形、仕組みなどさまざまです。赤ちゃんが生まれて初めて楽しめるおもちゃは、モビールかもしれません。目が見えるようになり、辺りを見回したとき、モビールがゆるやかに動いているとステキですよね。少しの風でゆったり動く、この動きってあかちゃんに安らぎを与えるのではと思います。我が家の息子も、生まれて間もない頃、じーっとモビールを見つめていました。電池などで忙しくまわるモビールよりも自然の風でゆったりと動くシンプルなつくりのモビールはおすすめです。また、赤ちゃんだけでなく、大人まで十分楽しめ、癒されるおもちゃとも言えるのでは・・・。モビールがあるだけで、お部屋の空間が楽しくなり、いきいきとしてきます。
玄関や子ども部屋、リビング、トイレ?など、使い分けて飾ってみてもいいかもしれませんね。
また、手作りしてみるのもいいかもしれません。材料はなんでもOK。厚紙でも、毛糸でも、粘土でも、ビーダマでも、木の実でも、お子様と一緒に壁にぶら下げて一緒にバラン
スをとりながら作ってみると楽しいはず。
お家の中を見回すと、いい材料が必ず見つかると思います。小さな木製クリップなどを使って、お子様の写真をぶら下げてもいいかもしれませんね!。

06年カルトン新聞5月号より
『クーゲルバーン』のお話


カルトンにおいてあるおもちゃで、車が下りてきたり玉が転がってきたり、上から物が落ちてくるおもちゃ、お客さんは「あっ、ピタゴラスイッチみたい」といいながら試してみています。時には「ピタ〜ゴラ〜スイッチ〜」と歌いながら遊んでいる・・・。確かに、ピタゴラ・・・の番組の始めと終わりのはすごいですよね。うわっ、すごい!と毎回私も感動しながら見ています。あれは、身の回りの用品や文房具などを使っているところがまたいいんですよね。物が落ちてくる単純なことを上手におもちゃにしているところ。何だか、自分でも何かつくってみたくなります。クーゲルバーンのおもちゃも、いろいろ見ていると、おすすめできるものと、そうでないものがあります。子どもが目で追える速さで玉や車が動いたり、単純な美しいつくりと、ぶつかり合う音が優しいことがいいおもちゃではないかなと思います。
ドイツ・ベック社のクーゲルバーンは本当に最高です。目で追いながら楽しむ時間が十分にあり、つくりに無駄なものがなく、子どもの創造性がどんどん膨らむ、飽きずに手を動かして遊べる、そんなおもちゃです。値段は1万3千円ほどですが、それだけの価値があるなあとあらためて感じさせられるおもちゃです。いいおもちゃもいいけれど、ピタゴラ・・・のように、まず身の回りの物を使って作ってみるというのもいいですね。

06年カルトン新聞4月号より
『みつろう』のお話

「蜜蝋」って、漢字で書くのも難しい・・・。「みつろう」って聞いたことはあっても、実はどんなものかよく分からないという人も多いのではないかなと思います。
蜜蝋はミツバチの巣から作られ、多くは化粧品に使われています。シュトックマー社(STOCKMAR)の蜜蝋は、世界の中でも質の良い蜜蝋を使い、農薬やパラフィンを含むものを取り除くので、とても貴重なんです。色も食品の着色料に許されたものだけを使い、無害で溶け出すことがなく、色彩が鮮やかで耐熱であり、厳しい基準に達しないといけません。ですから安全性に高い信頼があり、万が一体内に入っても心配はいりません。

蜜蝋粘土は、ほんのり甘い香りがして、手の温度でやわらかくなります。伸びがよく、何度でも使えます。また、蜜蝋クレヨンもほんのりと香り、美しい発色で、重ね塗りをしても濁りません。
子どもが、絵を描き始めるころ、まだ口に入れたり、なめたりする可能性が大きく、小さくなったものであれば飲み込んでしまう可能性もあります。「みつろう」のことを知っておくと、子どものために「良いもの」を与えたいと思ったときに、蜜蝋粘土や蜜蝋クレヨンを選びたくなると思います。ドイツのシュトックマー社の蜜蝋はおすすめです。マークもミツバチをイメージして六角形のマークです。

06年カルトン新聞3月号より
『おもちゃの値段』のお話

木のおもちゃといっても、安いものから高いものまでさまざま。「なんでこんなに高いんだろう・・・・」と高いおもちゃをじっくり見てみると、確かに、手ざわりがまず違うし、塗装も美しく、無駄のないつくりで形がよく考えられており丈夫です。遊ぶうちに、「なるほど、高いだけある」と思わせられるおもちゃもあります。
でも、「何でここまで高いの?」というのも正直なところあります。ヨーロッパでも人手不足だったり、ブランド力で値段が高くなるんですね。ファッション雑誌などをみていると、何十万円もするカバンなどがいくつものっていますが、それだけ高いものはポンポン買えるものではありませんよね。それにそんなに出さなくても良いカバンはたくさんあります。おもちゃだってそうです。普通の家庭で遊ぶならまずこわれないほどの丈夫さと安全な塗装、洗練されたデザインであれば、「いいおもちゃ」と言えるのではないかと私は思います。

カルトンには、プラントーイのおもちゃがたくさんあります。これはタイのメーカーですが、使わなくなったゴムの木を利用して作られています。色の美しさ、丈夫さ、デザインいずれもGOODだと思います。数々の賞をもらっているすぐれたおもちゃもあり、もっともっと皆さんに知ってもらえたらと思います。(右の写真はサボテンバランスゲーム→)

06年カルトン新聞2月号より
『ハンマートイ』のお話

パッと見て「これ、おもしろいのかな?」というおもちゃの良さってなかなかわかりません。だからよその子へのプレゼントとなると、色がきれいだったり見た目が豪華なものになってしまうのではないかと思います。「これ、おもしろいのかな?」の1つに「ハンマートーイ」も入るかも。これは、木のハンマーで、くいをたたくだけの何とも単純なおもちゃです。ひっくりかえすとまた遊べる。子どもはたたくことが大好き。でも、たいてい「あれダメ!これダメ!」と危険なことはとめられ、ましてや「ハンマー」なんて持たせたら家の中がどうなることやら・・・なんて心配になります。でもこのおもちゃはたたいていいよとなれば、子どもは思い切り楽しめます。けっこう力もいるし、握る、たたく、ひっくりかえす・・・いろんな手の働きを必要とし、重さもなかなかのものです。

1歳前後から、一つあるといいなと思います。おもちゃコンサルタントの資格を取るときの教材の一つでもありました。

06年カルトン新聞1月号より
『木馬』のお話

昔話や本などで子ども部屋にある定番の大きなおもちゃと言えば、『木馬』。何で馬なのかな、車とか他の動物でもいいんじゃない?って思った人はいませんか?私はその一人。木馬なんてかわいくないなあっていうのが正直な私の感想でした。でも何で馬なのかというのを知ったら納得、それから好きになりました。

昔、ロシアでは子どもの満1歳の誕生日には、馬に乗せる風習があったそうです。その風習が時代とともに少しずつ変化して、子どもは満1歳の誕生日に父親から馬のおもちゃをもらうようになったそうです。「何で馬に?」と思いますが、子どもが病で亡くなりやすかった昔の親の最大の願いは子どもの健康で、馬に乗せるというのは、「満1歳まで無事に育った、元気にたくましく育ってほしい」という親の気持ちが込められているものだからなのだそうです。木馬は、国産のものからアジア、ヨーロッパのものまでいろんなデザインのものがあります。それに高価・・・。お部屋の広さや、床が痛むかしらなんてことを考えるとなかなか買えません。でも、こうして木馬のお話を知っておくと、いつか木馬が手に入るという機会があったときに嬉しさ倍増するのでは・・・。

カルトンでは年末に「ルシターノ」という木馬を入れてみました。これはデザインも現代的でお求め安い価格です。これは床もいためないし、1歳のお誕生日にいいのでは?と思います。